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RESEARCH

ガンダムシリーズ全体像の歩き方

40年以上・50作以上に積み上がったガンダムを、「繋がっている歴史」「独立した歴史」「その全てが行き着く先」の3つに分けて、見る順番が分かる形に整理する。

ガンダムは「どれから見ればいいか分からない」と言われがちだが、構造そのものは単純だ。初代から地続きで繋がる宇宙世紀(U.C.)という本流が1本あり、その横に紀元ごと独立した並行世界がいくつも並んでいる。そして、その全てを過去として内包すると位置づけられた作品が1つある。

本稿は作品評ではなく、あくまで地図である。宇宙世紀は「見る順番」、アナザーは「1作で完結するか」を軸に並べた。どこから入っても構わないが、迷ったら宇宙世紀の太字3作から始めるのが王道になる。

STRUCTURE

  • 宇宙世紀(U.C.)

    初代から地続きに繋がる本流。時系列で追える

  • アナザーガンダム

    紀元ごとに独立した並行世界。1本だけでも完結する

  • 全ての行き着く先

    ①②を過去として内包すると位置づけられた未来

01宇宙世紀(U.C.)ルート

初代『機動戦士ガンダム』を起点に、アムロとシャアの因縁を軸として地続きに繋がるメインの歴史。作中年代(U.C.=宇宙世紀◯◯年)が明確に振られているので、時系列で通して読める。番号を振ってあるのが本流の幹で、まずは「まずここから」の3作を押さえるのが王道。番号のないものは外伝で、同じ時代を別の視点から描いた作品。飛ばしても本流の理解には支障がない。

1本流(番号順に見れば話が繋がる)外伝(同じ時代の別視点・飛ばしてよい)
  1. 機動戦士ガンダム THE ORIGIN

    U.C.0068–0079

    前日譚。シャアとセイラの出自から、開戦のきっかけとなるルウム戦役までを描く

  2. 機動戦士ガンダム(初代)

    U.C.0079–0080まずここから

    一年戦争。全ての起点

  3. 外伝

    第08MS小隊

    U.C.0079 / OVA・1996–1999

    宇宙ではなく地上戦。東南アジアの密林で戦う小隊と、敵側の女性との出会いを描く

  4. 外伝

    MS IGLOO

    U.C.0079 / OVA・2004–2009

    敗れる側であるジオン公国の視点。試作兵器の実戦投入を追う、フル3DCGの連作

  5. 外伝

    機動戦士ガンダム サンダーボルト

    U.C.0079–0080 / ONA・劇場・2015–2017

    デブリの海と化したサンダーボルト宙域での消耗戦。ジャズを全面に使った異質な作風

  6. 外伝

    ククルス・ドアンの島

    U.C.0079 / 劇場・2022

    初代TVシリーズの一挿話を、長編としてリメイクした作品

  7. 外伝

    機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム

    U.C.0079 / ONA・2024

    一年戦争の欧州戦線を、フル3DCGで描く

  8. 外伝

    機動戦士ガンダム 銀灰の幻影

    一年戦争期 / VRアニメ・2024

    VRヘッドセットでの体験を前提に作られた作品。視聴形態そのものが他と異なる

  9. 外伝

    0080 ポケットの中の戦争

    U.C.0079–0080 / OVA・1989

    戦争を知らない少年の視点から、一年戦争の終幕をコロニーの日常の側で描く

  10. 0083 STARDUST MEMORY

    U.C.0083

    初代と『Z』のあいだを埋める物語。ティターンズ誕生の前史

  11. 機動戦士Zガンダム

    U.C.0087–0088まずここから

    地球連邦内部の腐敗と、次世代への継承

  12. 機動戦士ガンダムZZ

    U.C.0088–0089

    『Z』の直接の続編。グリプス戦役後の後始末

  13. 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア

    U.C.0093まずここから

    アムロとシャアの決着。初代からの物語がここで一区切りつく

  14. 機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)

    U.C.0096

    『逆襲のシャア』の3年後。宇宙世紀最大の秘密「ラプラスの箱」をめぐる物語

  15. 外伝

    Twilight AXIS

    U.C.0096 / ONA・2017

    『UC』と同時期。放棄されたアクシズの調査に向かう2人を描く短編

  16. 機動戦士ガンダムNT(ナラティブ)

    U.C.0097

    『UC』の直後を描く続編

  17. 機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ(劇場3部作)

    U.C.0105

    『逆襲のシャア』の12年後。当時ブライトの息子だったハサウェイが主人公になる。第1部(2021)/第2部『キルケーの魔女』(2026.01)/第3部は未公開で、現在も継続中のシリーズ

  18. 機動戦士ガンダムF91

    U.C.0123

    30年後の宇宙世紀。世代交代した新しい戦争の形

  19. 機動戦士Vガンダム

    U.C.0153

    現時点で宇宙世紀の最も後の時代を描くTVシリーズ

  20. 外伝

    G-SAVIOUR

    U.C.0203 / 実写映画・2000

    シリーズで唯一の実写作品。『V』のさらに50年後、宇宙世紀の最果てを描く

別世界線

機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)

U.C.0085

宇宙世紀を土台にしつつ、一年戦争の結末が異なる並行世界を描く。公式の前提は「シャアがサイド7でガンダムを奪取し、ジオンが勝利した宇宙世紀」。年代としては『0083』と『Z』のあいだに入るが、上の本流の続きとして読む作品ではないため別枠に置いた。Wikipedia: 機動戦士Gundam GQuuuuuuX

02アナザーガンダム(独立した歴史)

宇宙世紀とは無関係の、独立した紀元を舞台にする作品群。相互に繋がっていないので、気になったタイトル1本だけを見ても問題なく完結する。紀元の略号がそのまま世界の識別子になっている。

  • F.C.未来世紀

    機動武闘伝Gガンダム

    1994–1995 / TVシリーズ1作

    国家の代表がモビルスーツで殴り合い、勝った国が次の4年間の主導権を握る「ガンダムファイト」。戦争ものではなく格闘技もので、熱血スポ根に振り切っている。

  • A.C.アフターコロニー

    新機動戦記ガンダムW

    1995–1996 / TVシリーズ+続編『Endless Waltz』

    5人の少年兵がそれぞれのガンダムで地球へ降下する、コロニー側からの独立闘争。政治劇の比重が大きい。

  • A.W.アフターウォー

    機動新世紀ガンダムX

    1996 / TVシリーズ1作

    コロニー落としで人類の大半が失われた後の世界。滅びかけた地球を旅する、戦後を舞台にしたボーイ・ミーツ・ガール。

  • C.E.コズミック・イラ

    機動戦士ガンダムSEED

    2002–2003 / 『DESTINY』『FREEDOM』へ続くシリーズ

    遺伝子操作を受けた新人類コーディネイターと、従来型の人類ナチュラルの対立。アナザーの中では例外的に続編が積み上がっており、劇場版『FREEDOM』(2024)まで続く。

  • A.D.西暦

    機動戦士ガンダム00

    2007–2009 / TVシリーズ2期+劇場版

    「戦争根絶」を掲げて、あらゆる戦闘に武力介入する私設武装組織ソレスタルビーイング。舞台が現実と地続きの西暦であることが特徴。

  • A.G.アドバンスド・ジェネレーション

    機動戦士ガンダムAGE

    2011–2012 / TVシリーズ1作

    祖父・父・孫の3世代にわたる100年の戦い。1作の中で主人公が世代交代していく構成をとる。

  • P.D.ポストディザスター

    機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ

    2015–2017 / TVシリーズ2期

    火星で使い捨てにされていた少年兵たちが、自分たちの居場所を武力で勝ち取ろうとする。ニュータイプのような超常設定を持たない、生身に近い戦い。

  • A.S.アド・ステラ

    機動戦士ガンダム 水星の魔女

    2022–2023 / TVシリーズ2クール

    戦場ではなく、企業が運営する学園が主舞台。決闘で物事が決まる学園の内側と、その背後にある企業社会を並行して描く。TVシリーズで初めて女性が主人公を務めた作品。

03全ての歴史が行き着く先

宇宙世紀とアナザーの並行世界が、数千年から数万年という時間を経て最終的に合流した先――として位置づけられる作品。ただし「どう合流するのか」は公式にも確定していない(下の注記を参照)。

  • ∀(ターンエー)ガンダム

    正暦(コレクト・センチュリー/C.C.)

    1999–2000

    太古に繰り返された宇宙戦争の歴史を「黒歴史」と呼び、その最後の大災害から復興した時代を描く。富野由悠季は「∀=全て」の記号に、自分が制作に関わっていない未来世紀やアフターコロニーまで含めて総括する意図を込めたと説明している。

  • ガンダム Gのレコンギスタ

    リギルド・センチュリー(R.C.)

    2014–2015

    宇宙世紀の後に制定された年号が R.C.。物語は改号から1000年以上経った R.C.1014 年が舞台で、宇宙世紀を含めて2000年を越える歴史があるとされる。

04番外:ガンプラ・SD(歴史の外側)

上の3つの歴史のどこにも属さない枠。舞台は基本的に現実世界に近く、モビルスーツ同士の戦争ではなく「ガンプラで遊ぶこと」そのものを題材にする。歴史の理解には要らないが、シリーズの体積としては無視できない量がある。

  • ガンダムビルドファイターズ

    TV

    2013–2014

    組み上げたガンプラを操作して戦わせる「ガンプラバトル」が競技として存在する世界。

  • ガンダムビルドファイターズトライ

    TV

    2014–2015

    前作の7年後。3人1組のチーム戦を描く。

  • ガンダムビルドダイバーズ

    TV

    2018–2019

    舞台をオンラインゲーム内へ移したシリーズ。

  • ガンダムビルドダイバーズ Re:RISE

    ONA

    2019–2020

    『ビルドダイバーズ』の続編。

  • ガンダムビルドメタバース

    Web(全3話)

    2023

    ビルド系の最新作。メタバース上でのガンプラバトルを描く短編。

  • SDガンダム系

    多数

    1988–

    頭身を落としたSDガンダムによる別系統。武者・騎士などの世界観から、『BB戦士三国伝』『SDガンダムワールド ヒーローズ』まで長く続いている。

05読むときの注意

「∀が全てを内包する」は制作意図であって、後続作品の設定ではない

黒歴史が過去のシリーズ全てを含むという位置づけは、富野由悠季が明言した『∀ガンダム』側の意図である。一方で、その後に作られた作品の多くは黒歴史の概念に実質的に言及していない。実務的には「各作品の世界は基本的に独立したもの」と捉えるのが適切とされる。

G-Reco と ∀ の前後関係は、公式と監督の説明が食い違っている

公式発表では『Gのレコンギスタ』は正暦(∀の時代)より前に位置するとされていた。しかし富野由悠季は後のトークショーで「正暦から約500年後」を想定して制作したと発言しており、矛盾が残ったままになっている。富野自身は「皆さんなりに『ガンダム全史』みたいなものを作っていただければいい」と述べている。本稿もどちらか一方を正としない。

R.C. は分類上アナザーの紀元でもある

『Gのレコンギスタ』の R.C. は、紀元の一覧としては F.C. や A.C. と並ぶアナザーの紀元として扱われることもある。本稿では「宇宙世紀の後に制定された年号」という設定を重く見て、③ に置いた。

注記 / DISCLAIMER

本稿は公開情報(各作品の公式サイト・Wikipedia 等)に基づく Newbee の整理です。作中年代・放送年は確認できた範囲で記載しています。掲載対象は映像作品(TV・劇場・OVA・ONA・実写)に絞り、ゲーム・小説・漫画のみで展開された作品(『クロスボーン・ガンダム』『ウルズハント』など)と、既存作の再編集版(『Zガンダム』劇場版三部作、『UC RE:0096』など)は割愛しました。③ の時系列は公式にも確定していないため、注記のとおり両論を併記しています。